【吸血鬼になりたかった】
僕は吸血鬼になりたかった。
今でもそう思う。
何でそう思うのだろう?自分なりに分析してみた。
まず僕は夜が好きだ。昼よりも自由度がUPするような気がする。暗いし。
僕は昔から狭いところがすきだった。今でもそれは変わらない。
寝る時などは絶対に壁際がいいし、となりにコタツがあれば最高だ。できればはさまれて眠りたい。
ウチの中学は新設校で、当時の最先端の技術が導入された。電子ピアノ、センサー式理科実験装置、OHP利用式地理投影などなど。
そんな中でもっとも特殊だったのが【視聴覚教室】だ。
ただの器具を並べた視聴覚室とは違うよ。
その空間に入ると三半規管が狂うんだ。壁材が全ての音を遮断するから、大ゲサだが宇宙にいるような感覚になる。しかも蛍光灯だらけの校舎において、そこだけはやわらかいオレンジ灯なのだ。僕は惹かれた。「一生ここに居てもいい」と
さて、日本人は死ぬと白木の箱に入れられる。
僕はそれではイヤなのだ。
1度でいいからドラキュラが入る、あの内側が赤の絹になったカンオケで寝てみたい。空気穴は開けといてね。死ぬから。
次に惹かれるのはその不死性だ。何百年も生き、何十階のビルから飛び降りても平気、銃で撃たれても平気。焼かれようが斬られようが平気。その不死性はすばらしい
さて、ただの不死なら僕も魅力を感じない。
彼らには弱点があるのだ。「日光」「銀」「木のクイ」「聖水」
生物としてこれだけ多くの弱点を抱えているのも珍しい。
いや、っだからこそなのだ!完璧な存在になど憧れはしない、弱点があるからこそ憧れるのだ。
終わりのない人生などつまらないもんだ
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